小説家というと「狭き門の代表格」といったイメージがつきまとい、小説家を目指している人と言われたら「夢見がちで、いつもお金に困っている」という人物像が浮かんできます。

あの橋田壽賀子さんも「夫が定職に就いていてくれたから、自分は執筆活動に専念出来た」と語るのを聞いた事があります。

昔の映画にも小説家志望のキャラクターがよく出てきますが、彼らの生活や支えてくれる家族は本当に様々です。

今回は「小説家になりたい」というキャラクターが出てくる映画をまとめました。

【放浪記】夢を追っている時の楽しさ

「放浪記」は、実在の小説家・林芙美子さんの自伝的な物語です。

この映画の中で一番印象的なのが「物書きになりたい夢追い人」が集まるカフェーの風景です。

演出家になりたいけど俳優業をしている男や、親掛かりの身分で自費出版しているプチ・ブルジョア、貧乏で病気がちだけど女にモテるイケメン、共産主義者、お嬢様育ちの女優など、個性豊かな仲間たちが色々と集まってきます。

この仲間の中で、芙美子だけが住み込みのフルタイム労働という過酷な状況下で頑張っています。

カフェーの女給というのは時間給ではなく、収入はお客から貰うチップだけだったそうです。
執筆する為に仕事を休めば、即「飢え」との戦いが待っているし、働きながら書こうと思えば睡眠時間を充てるしかなく、生きていくにはどうしても労働が欠かせません。

とはいえ最後にはベストセラー作家となって報われるのですが、売れっ子になったらなったで睡眠時間を削って執筆する姿を見ると、相変わらず大忙しな事には変わりないのでした。

【泣蟲小僧】どうにか続けられれば、幸せ

「泣き虫小僧」には、家族を持ちながら小説家を目指す男が登場します。

この男は「売れない小説家」ながら、特に副業などもしていない様子です。
どうして生きているのか不思議ですが、一家はガスを止められたりしながらも親子三人で何とか暮らしています。

彼の日常は「今日は天気が良いから、編集者のご機嫌も良いだろう」などと言って原稿を持ち込んでは、断られるという繰り返しのようです。

それでも自分の作品には相当な自信があって、この価値がわからない方が悪いといった風で、自分自身はけっこう楽しく暮らしているように見えます。

後はいかに奥さんを説き伏せて、この生活を続けていけるかが問題なのかもしれません。

【あの手この手】副業としての小説家

「あの手この手」は、小説家になりたい大学教授の物語です。

彼は大学の助教授で、その傍らに小説を書いている中年男です。
最近では編集社にも徐々に認められるようになり、原稿料などもボチボチ入るようです。

いま彼の情熱は専ら小説に向けられており、大学を辞めて執筆に専念したいと思うようになっています。
ところが彼は奥さんに頭が上がらない「恐妻家」で、彼女の反対にあって教職を辞められずにいるのです。

どうやら奥さんは本人にこそ言わないものの、夫には見込みがないと思っているようです。
「夫は大学教授という肩書があって初めて、読者が読んでくれるに過ぎない」とか
「書いた人を見れば、作品のレベルくらい分かる」
という痛烈な意見を持っているのでした。

そしてこの映画を見ていると、奥さんの意見に妙に納得してしまいます。

彼は趣味で書いているのが一番幸せかもしれず、大学教授という肩書のお陰で読者がつくなら、必ずしも小説家として独立するという茨の道を行く必要も無いのでしょう。

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