倦怠期とは、遅かれ早かれ殆どのカップルに訪れるもののようです。
脳科学的にも、恋愛には賞味期限があって持続期間は3年程度だという説もあるくらいです。

では、ずっと続くカップルや、何十年と夫婦でいられる人と、別れてしまう男女の違いって何なのでしょうか?
よく思いやりが大事とか、すれ違いをなくすという事が語られますが、倦怠期を乗り越えるのに必要なのはスキルや努力ではないような気もしますよね。

こういう問題は理屈っぽく考えて解決するものではなく、実際に他人の様子などを見た方が参考になりそうです。
ただ夫婦の仲なんて人に話すべき話題ではないので、リアルな事となると傍からは分かりようがありません。

そこで入門的にいちばん手軽な方法として、倦怠期をテーマにした映画を見て、そこから何かを感じ取るというのも一つの手だと思います。
映画監督の中には、こういうデリケートな問題をリアルに描くのが得意な人もいるものです。
この記事では、倦怠期を迎えたカップルが、恋愛感情が作り出すイリュージョンを越えて“本物”になっていくおススメの映画をご紹介します。

「ビフォア」シリーズ3部作

ビフォア・ミッドナイト(字幕版)

まずは話題を呼んだ映画として、18年越しのカップルを「リアルタイム」で描いたという驚きの恋愛映画「ビフォア」シリーズがおススメです。

何がリアルタイムなのかというと、「北の国から」の純と蛍のように長い歳月をかけて、一組のカップルの「時の流れ」を描いている映画なのです。
映画は3部作になっていて、20代の時と30代の時、そして40代と9年ごとに映画が制作されています。
ちょっと軽いノリだった20代、大恋愛に発展する30代、そして「酸いも甘いも噛み分けた」といった風な40代の二人が、俳優たちの人生経験を伴ってリアルに表現されているのです。
恋愛の最高潮の極みと「賞味期限後」の世界が赤裸々に描かれた、ある意味とことん「リアリティ」を追求した映画だと言えそうです。

ぜひ「恋人までの距離(ディスタンス)」(’95)、「ビフォア・サンセット」(’04)、「ビフォア・ミッドナイト」(’13)と、年代の通りの順番でご観になる事を強くおススメします。

「夫たち、妻たち」

夫たち、妻たち (字幕版)

「夫たち、妻たち」は、男女の本音を善悪の区別なくありのままに描く事を得意とする、ウッディ・アレン監督の夫婦ものです。

長年連れ添ったおしどり夫婦が「セックスレス」が原因で別れたものの、結局は元の鞘に収まるという物語です。

恋愛感情というのは しょせん長くは続かず、大人の人間関係というのはやはり知的水準の近い者同士でないと、しっくりいかないようです。
それでもパートナー以外の人と恋に落ちて初めて、そこに気が付く事もあるのかもしれません。

元々仲良しだったけど妥協を許さないようなこの夫婦は、それぞれ自分の意思を追求して気が済んだのか、復縁してから以前よりもラブラブな感じになってしまいます。

「めし」

やはり日本人には日本的な感性で捉えた「倦怠期もの」も加えたいのですが、日本の名作映画といえばやはり昭和の作品が一押しです。
「めし」は、大恋愛の末に親の反対まで押し切って一緒になった二人にも、やっぱり倦怠期は来るという物語です。

原節子と上原謙という超美貌の二人が演じていて、恋愛期が美しかっただけに尚更その失望感は深いようです。
欧米と違って罵りあったり感情を爆発させたりはしませんが、二人の醒めた様子はかなり深刻です。

この二人が別れない理由は、馴れ合いや諦めの産物ではなく、新たな境地へのステップアップとして、より深い絆が築かれていく様が静かに描かれています。

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