仕事が忙しかったり、金欠だったりで、なかなか良い気分転換が出来ないとき、たまにはパーッと旅行にでも出掛けたくなりますよね。

ところが いざ旅行してみると、案外と煩わしい事が多かったり人混みにやられてしまったりと、思ったより寛げない事がよくあります。

今回は家にいながらにして、旅行に出た時のような非日常的な気分や、ちょっとした人間ウォッチで気分転換になるような、おすすめのロードムービーをまとめてみました。

【有りがたうさん】田舎の車窓を楽しみたいとき

「有りがたうさん」は、なんとバスの運転手が主人公という、伊豆の山地を長距離バスで行く過程を追った映画です。

とはいえ別にドキュメンタリー的な作品ではなく、群像ドラマといった仕上がりになっています。

1936年に公開されたという相当古い映画の割にはけっこう綺麗な映像で、伊豆半島の自然や当時の趣のある木造家屋、ローカルな感じでおっとりとした人々との触れ合いが臨場感を持って描かれています。

都会の喧騒を離れて、田舎の美しい風景や穏やかな時の流れを感じられるだけでなく、時代を越えて戦前の世界を垣間見るというタイムスリップ感も味わえるのがこの映画の特徴です。

田舎ならではの、すれ違い様に交わされるちょっとした会話も面白さの一つで、ゆったりした気分で車窓を楽しむような旅にも似た情緒的な作品です。

【吹けよ春風】タクシーの運転席に乗ってみたいとき

「吹けよ春風」は、タクシーの運転手の目を通して、少しだけ乗客の人生に触れるというオムニバス的な物語です。

この作品は昭和28年(1953年)という、日本がまだ貧しくて若いエネルギーが溢れていたような頃の映画で、けっこう驚くようなエピソードが満載です。
車で走る東京の様子は、全く変わってしまった景色と、今でも健在の風景が混在していて新鮮です。

タクシーに乗り込んでくる乗客によって空気が全く変わってしまう展開が面白く、時には濃厚な人間ドラマに遭遇する事もあります。
たくさんの人に接するこの職業は「色々あるんだろうなぁ」という好奇心が湧いて来るような、車窓だけでなく人間ウォッチも楽しめる映画でした。

【33号車應答なし】夜の街をドライブしたい気分の時

「33号車應答なし」は、パトカーで夜の街を巡回する警察官の物語です。

この映画は、警察の話とはいえ“警察密着24時!”みたいな刺激的な映像を集めたものではありません。
後半は緊張感のある展開になって行きますが、前半はどちらかと言うと当時の一般人の世相を描いた“夜の街”の人間模様を描いた作品です。

この映画は、あるクリスマスイブの夜の一晩の様子を描いていて、同時に別々の場所で起こっている事が錯綜するという展開になっています。
暗い夜道と車の中の静けさが映し出され、夜のドライブの独特なテンションが思い出されます。

そんな夜の街のちょっとした緊張感と、酔っ払ったような緩んだ空気とが交互に繰り広げられていく様は、なかなか良い気分転換になると思います。

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