コロナウイルスの脅威が、日本にまで及んでしまった事に怯える人は少なくないと思います。
SNSなどには中国の生々しい映像が次々とアップされ、この惨状が日本でも起こるのではないか!?
という危機感がジワジワと拡大し、政府の「隠蔽体質」がその恐怖に拍車をかけていると思います。
ただ、昭和初期・邦画好きの筆者が日本の医療の様子について時系列で見てきた観点からすると、日本ではパンデミックのような事が起こるとは到底思えません。
日本は、中国とは真逆のような異質な社会を繰り広げている国です。
問題があるとすれば、それは意外な所にあるのでは?と思っています。
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山奥まで出かけていく女子医大の娘たち
戦前の日本映画『女医の記録(1941)』には、日本の行政が行っていた医療・衛生キャンペーンの様子が描かれています。
女子医大のインターンたちがグループで無医村の集落を巡回し、結核の検診をしたり治療のサービスをしています。
戦前期の僻地ともなると、病気になれば迷信やマジナイに頼るしかなく、衛生観念も無し、無料の奉仕だと言っても信じてもらえないような有様です。
衛生観念や健康管理の啓蒙活動は「よそ者がおかしな事を言っている」という感じで、なかなか受け入れてもらえず、インターンたちが悪戦苦闘する様子はなかなか大変そうです。
とはいえ、こんな大昔にそんな所にまで国の管理が及んでいた事には、逆に驚かされてしまいました。
日本は世界一「衛生観念」にうるさい国
日本は元々、昔から衛生観念の厳しい国でした。
江戸時代の舶来者などは、その清潔さに肝をつぶしたと言われています。
ところが実は、現代でも海外へ行って驚く事があります。
それは「シャワーの性能の低さ」です。
ヨーロッパを観光であちこち巡っていた頃、ツアコンのお姉さんがホテルに到着する度に注意する事がありました。
それは「部屋に入ったら、まずシャワーのお湯がちゃんと出るか確認してください!必ずですよ」という事です。
日本の感覚からすると???ですよね。
そしてお湯が出たは良いけど、滝のようにドボドボだったり、逆にチョロチョロとしか出なかったりと、散々です。
決して激安ツアーでは無いのに・・・です。
日本では、安いビジネスホテルでもシャワーの調子が悪いなんて事はあり得ないと思います。
ちなみに、アメリカの歌姫「マドンナ」は、かつて日本のウォシュレットを初めて使用したときに感激してしまったそうです。
日本人の衛生観念は、セレブ並だという事がわかるエピソードでしたww
戦前の「隔離」の様子
とはいえ、日本に感染症が無いわけではありませんね。
日本で一番流行した感染症といえば「結核」が思い浮かぶと思います。
爆発的な感染力という訳ではありませんが、結核は主に人が集まる所で流行するので、都会の病気と言われていたそうです。
昔は結核菌についての研究が解明されていなかったので、感染を止める事は出来ませんでしたが、当時から「隔離」という意識は既にありました。
戦前の映画には、高原や海辺の「療養所」の様子が出てきます。
そして「療養所」という表現の裏には、隔離の意味合いがあった事が想像できます。
昔の結核のイメージとして、製糸工場の「女工さん」が浮かぶ人は少なくないと思います。
確かに昔は、こういう貧しい労働者への社会保障というセーフティーネットはありませんでした。
人材は使い捨てという、元祖ブラック企業の典型のような世界です。
こういう「どうしようもなかった」人たちと、普通の暮らしをしている人たちでは事情が違うと思います。
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問題は意外なところに・・・
そしてもう一つ、日本は大きな戦争をして負けたという受難の時期がありました。
この頃は、公共の保養施設に収容できない患者が放置されていた事実が、当時の映画に描かれています。
療養所は、都内にもありました。
清瀬に療養所が出来た当初は、近隣に人が住みたがらないという現象が起こり、次々と療養所が集まって一種の「隔離地帯」のようになってしまったそうです。
詳しい事は分かりませんが、そういう療養所とかサナトリウムがけっこう存在していたという事実は、罹患者を「隔離する」のが常識だったという社会の空気が伝わってくるし、それには税金のような「強制力」が働いていたのではないでしょうか。
今なら人種差別だとか大騒ぎする人もいそうですが、日本人というのはそれくらい神経質な国民なのだと思います。
こんな風に日本という国は、パンデミックなんかが起こりにくい土壌だと言えるでしょう。
今回病原菌が国内に入ってしまった原因は、むしろ外交とか国防の問題ではないでしょうか。
そして、何でも人権問題にすり替えてしまう一部の極端な意見が「隔離」を強行できない状況にしてしまっているような気がします。
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