昔の映画を見ていると「やっぱり本物のお嬢様は凄いなぁ」と感心する事があります。
今の感覚で言うと、お嬢様というのはお金持ちで苦労が無く、どちらかと言えば「ひとりでは何にも出来ない人」というイメージがあると思います。
ところが昔の映画のお嬢様は、けっこう芯がしっかりしていたり、逆境に強かったりする姿が描かれている事があります。
そして自分の幸せを追求するよりも、もっと高いところを見ているような意識を感じます。
今回は、そんな たくましいお嬢様が出てくる映画をまとめました。
【春雷】善にも悪にも大きく振れる、豪快なお嬢様
「春雷」には、逆境をバネにして成長するお嬢様が描かれています。
このヒロインは、最初こそ贅沢にふけって遊ぶ事に夢中になり、自分の力で生きていく力のない女性でした。
ところが、紆余曲折を経て自分が間違っていた事に一旦気づくや、ガラリと行動を変えてしまいます。
その変わり身の見事さが潔く、自分の事は棚に上げて堂々と人を説得する力強さには、理屈抜きに圧倒されてしまいます。
彼女は、間違った方向へ行くときも、自分の過ちに気付いて過去の自分が恥ずかしくなったときも、迷う事なく思った通りの道をガンガン貫きます。
その行動力と自信には、お嬢様特有の勇気を感じました。
【禍福】常に最善の道を選択する、賢いお嬢様
「禍福」では、近代的で活発なお嬢様が、両親の言いつけで旧式なお見合いをさせられます。
実は相手の男には熱愛中の彼女がいて、その相手との結婚を許してもらう為に実家に帰って来たところでした。
それが父親の猛反対に遭って決裂し、渋々 形だけの見合いをしたのでした。
ところが実際に会って見ると、事もあろうに男はこのお嬢様に惹かれてしまいます。
そしてお嬢様も、男の事が気に入ります。
男は事の次第を全て正直に打ち明けますが、お嬢様は「その彼女と綺麗に別れられるなら結婚しましょう」とアッサリ婚約を承諾します。
ところが彼女の方は妊娠しており、結婚した後から、男には子供がいたという事が発覚します。
それを知ったお嬢様は、やっぱりショックを受けます。
でも、その後が違います。
その子供を引き取り、自分の子として育てたいと提案し、なんと元カノの承諾まで取り付けてしまいます。
彼女ひとりの考えで、誰の怨恨も残さずに この問題をまとめてしまうのでした。
そして誰にも気付かれず、自分が産んだ事にして朗らかに母として振る舞う姿には、スケールの大きさを感じてしまいました。
【暖流】人に譲る余裕がある、寛大なお嬢様
「暖流」は、ある大病院の一人娘であるお嬢様が主人公です。
このお嬢様は、最初親が決めた許嫁と結婚する予定でした。
この許嫁は父親の病院に勤める医師ですが、実は看護婦を弄んで捨てたという事実が発覚します。
お嬢様はその事が許せず、婚約を破棄してしまいます。
そんな折、お嬢様は父親の亡き後に病院の経営を任されていた秘書の男に、突然求婚されてしまいます。
じつはお嬢様はこの男が気に入っていて、内心では婚約者よりも好きだったように見えます。
ところが この男には、密かに思いを寄せられている女性がいたのです。
その女性は病院の看護婦で、秘書の男のスパイのような役割として、情報提供に協力してもらっていたのです。
そして彼女は、今は身分が違う立場でも、昔はお嬢様の旧友でもあった人物です。
お嬢様は旧友として この看護婦の女性から、秘書の男性に寄せる思いを打ち明けられてしまいます。
彼女は自ら身を引く事を決意し、彼の求婚を断ります。
男はこの仕打に理不尽さを感じながらも、結局は自分を必要としてくれる看護婦の方を結婚相手に選びます。
結局お嬢様は一人になりますが、悲しみを引きずる事なく毅然と振る舞うのでした。
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