日本には色々とお祭りがありますが、今はなかなか自分で参加したり、本格的に味わうことのできる機会が少なくなってきた気がします。

やっぱり地域社会の衰退や、宗教離れの影響だとは思いますが、長いあいだ親しんできたイベント性や季節感が失われつつあるのは寂しい事です。

昔の映画を見ていると、かつてのお祭りはただパーッと陽気に騒ぐというよりは、何か非日常的で神秘性のある「真剣さ」を感じます。
大勢の人が集って一体感を味わう喜び、そして時には大いなる力と繋がるような高揚感があって、今から見るととても新鮮です。

今回は、そんな季節の風物詩である「お祭り」の様子を描いた映画をまとめてみました。

【女中ッ子】祭りは真剣勝負だ!

「女中ッ子」には『なまはげ』の行事の様子が描かれています。

映画は再現であって実録ではありませんが、見ていて結構リアリティがあると思いました。

というのは単なるお祭りなのだから、ふざけたり楽しみながらやっているのかと思いきや、参加している人がみんな真剣に取り組んでいる様子に惹かれてしまいました。
そして大人がこれほど本気になれば、子供も本気にするわけです。

どうやら『なまはげ』は、子供が鬼を本物だと思わない限り、意味が無い行事のようです。
だから大人は、マジで子供を怖がらせようとしていますww

人々のあまりの真剣な様子が新鮮で、自分の中で「お祭り」に抱くイメージが変わりました。
どうやら屋台で玩具や鉄板焼を買いながらダラダラ練り歩いたり、盆踊りをするのが本当の祭りでは無いようです。

本来は真剣勝負で取り組むべきもので、皆ちょっとした信仰のような意識を持って挑んでいるのだと感じました。

【白痴】北海道のお祭りは異国情緒たっぷり

「白痴」は、1951年当時の札幌の様子を、今に伝えてくれる貴重な映像です。

この映画は、帝政ロシアのサンクトペテルブルクの雰囲気を、公開当時の札幌の地で再現しているのですが、あまり違和感がない所が逆に驚いてしまう作品です。

当時の札幌は異国情緒あふれる町だったようで、撮影はロケが中心で、家も実在する建物が使用されたそうです。
リアルだけど不思議とファンタジーに満ちたような、独特のムードがありました。

中でも一番印象に残った光景は、夜のカーニバルの情景です。
凍った湖で、仮装した人々が松明を手にスケートを滑る光景は幻想的ですが、これは実在したお祭りだったそうです。
今では残念ながら無くなってしまったようですが、映画にはその「中島公園の氷上カーニバル」の様子が映し出されています。

そして、もう一つの見どころは創成期の「さっぽろ雪まつり」の光景です。
怪獣のような雪のオブジェは、今からみるとちょっとショボい感じですが、雪まつりの誕生が50年だという事を思うと、映画に映っているのは記念すべき最初の雪まつりの様子なのではないでしょうか。

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