いつの世も、底辺層というものは存在するものです。
それでも「ボロは着てても心は錦」ではないですが、苦しい生活の中でも何とか楽しみを見出している人達というのは、見ていて楽しいものです。
今回は、貧乏は貧乏でもほとんど「赤貧」といった感じの生活の中にも、面白味を見出す人々を描いた映画をまとめました。
【煙突の見える場所】貧乏が人々の距離を近づける!?
「煙突の見える場所」には、貧乏長屋にひしめき合って暮らす人々が描かれています。
少しでも収入が欲しい長屋の夫婦は、キツキツの長屋の2階に、二組の下宿人を置いています。
プライバシーなどという事もあまり言ってはいられませんが、さすがに夫婦でイチャついている所へ下宿人が帰ってきて、思わず目が合ってしまった時などはお互いに気まずかったりしますww
それでもお金を溜めて、将来我が家を手に入れるという夢を共有して、2人は楽しく暮らしています。
そして2階の住人はそれぞれ年頃の青年と娘で、時々一緒にお茶を飲んだりして楽しくおしゃべりしたりします。
更には間借り人と家主の関係も、持ちつ持たれつという感じで、困ったときは助け合って良い関係を築いています。
そして間借り人が夫婦の危機を救ったり、偶然お隣どうしに住んだ2人は結婚するという結果を生んだりするのでした。
ひどく窮屈に見える生活も、けっこうウィンウィンな面もあるのでした。
【放浪記】3度の飯よりイケメン!
「放浪記」には、ジプシーのように育った行商人の娘が出てきます。
彼女は常に働いていないと生きられないくらい貧乏で、ちょっと休めば飢えが襲ってくるという厳しい生活です。
それでも彼女は大好きな本を買ったり、何度捨てられてもイケメンに恋をしてしまいます。
彼女は詩や童話を書いている時が一番楽しくて、それだけは報酬が無くても継続し続けています。
そしてイケメンに惹かれるのも、むしろデメリットの方が目立ちますが、好きだからやめられないというだけの話です。
やっぱり生きるための労働だけでは味気なさ過ぎるというのか、楽しんでナンボなのが人生なのでしょう。
【綴方教室】子供は貧乏でも元気いっぱい
「綴方教室」には、お父さんの受難で崩壊寸前まで追い詰められる家族が描かれています。
職人の父親が、うっかり自転車を盗まれた事で職を失ってしまうという、どこかのイタリア映画のような光景が、昭和の日本でも繰り広げられていました。
日雇いの身に落ちた父親は、一家の食費すら賄う事ができなくなって行きます。
それでも子供たちは、お腹をすかせてはいても楽しむ事は諦められないのか、相変わらず無邪気に遊んだりしてイライラした母親に叱られたりします。
中でもこの家の長女は作文が得意で、どんな時も文章を書いていれば、ちょっとした楽しみになっています。
作文は観察力を高めるのに絶好のツールのようで、彼女はだんだん感性も豊かになって行きます。
貧しい生活の中にもちょっとした面白い事があったり、大人の世界を垣間見る出来事が起こったりして、彼女の好奇心も膨らんでいきます。
時には悲しい事もありますが、彼女はそんな時ですら作文を欠かしません。
ここまで来れば上級者という感じですが、実際に作文は彼女の物の考え方すら向上してくれます。
お米を「札」と交換するという(ちょっとよくわからないシステムですが)のは、どうやら子供にとっては恥ずかしい事のようですが、そんな時も「糠を貰いに行ったんだ」と誤魔化せば済むという智慧が浮かんだりして、彼女の生活を豊かなものにしてくれます。
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