昔の映画を見ていると、遠い昔の話ゆえ若者も古風だったのかと思いきや、そうでもなくて新鮮な事があります。
彼らの仲間との付き合い方は、今とちっとも変わらないフランクなものだし、むしろ大人っぽい所もあって とても魅力的です。

それでも、まだ幼さの残った彼らの雰囲気を見ていると、楽しさも憂いもある多感な時期を思い出して楽しくなってしまいます。
今回は、若い頃といっても3段階くらい別の世代を、それぞれピックアップしてみました。

【早春】「超」仲良しの同僚チーム

「早春」は、サラリーマンたちが同僚仲間で、アフター5や週末を楽しむ様子が描かれています。

サラリーマンの生活も今とはずいぶん違っていて、中でも一番 驚くのは、同僚たちが朝一緒に通勤する様子です。

見れば、別に社員寮に住んでいるわけでもなく、長屋とか一戸建ての人もいます。
会社が借り上げているのかも知れませんが、同僚たちが みんな近所に住んでいます。
そして朝、同じ電車の一定の場所に集まって、一緒に出勤するのです。

昼休みには一緒に散歩へ行き、週末にピクニックに行く計画を立てたりします。
そして仕事が終わると、夜は麻雀をするために集まります。
休日には、近所の喫茶店で落ち合って、会社の人の噂話などを楽しむという毎日です。
一体、どんだけ仲良しなのでしょう(^^;

というか、なんだか学校の延長みたいなノリです。
そうかと思えば、将来に希望がないと言い「サラリーマンは辛いよ」とこぼしたりします。

今の日本の状況からすれば、ずいぶん良い時代だったように見えますが・・・。

【花籠の歌】けっこう現実的な大学生たち

「花籠の歌」には、軽いノリの大学生たちと、年頃の娘の絡みが描かれています。

大学生と言っても彼らはちょっと砕けた感じで、勉学に励んでいるというよりは、どう見ても東京でシティライフをエンジョイしている様子です。
看板娘目当てで「とんかつ屋」に入り浸っていたり、カフェの女給と付き合う事もあるようです。

彼らはもうすぐ卒業ですが、一人は坊主のせがれで将来は安泰だし、もう一人は田舎へ帰って「婿養子になる」という進路が用意されているようです。
とはいえ、彼はその話には気が進まず「もう1年留年しようかな」などと言っています。

一方で坊主の倅はなかなか世辞に長けていて、とんかつ屋の娘が友達に思いを寄せている事に感づいています。
そして、とんかつ屋のおやじに「友達を養子に迎えてはどう?」と提案し、本当に話をまとめてしまいます。

自分たちの力量を見据え、与えられた機会を素直に受け入れる彼らの姿勢を見ていると、
現実的で冷静な賢さを感じました。

【隣の八重ちゃん】子供っぽいようで、実はしっかりしている男女の仲

「隣の八重ちゃん」には、大学生の男と女学校に通う女の子が、お隣同士で仲良くしている様子が描かれています。

女学校の学生というと、今で言う高校生ですね。
彼らは家が隣で、家族ぐるみで親しく交流しています。
普段は仲良しの友達という感じですが、男女の意識もちゃんと持っています。

大学生がお隣の留守番を任されていると、女学生とその友達が帰って来ます。

大学生が友達を紹介された緊張でお茶をこぼしてしまったり、女どうしの会話に聞き耳を立てたりする様子は、いつの世も同じという感じで笑えますww

ところが後で、女学生が大学生に「あの子が気に入ったんじゃない?」と探りを入れ、大学生の方も「男好きのするタイプだね(!)」などと返す会話には、既に浮気が気になる女房とその夫のような雰囲気が醸されていて、ちょっと驚きます。

大学生は「俺は女房になる女性には、こんな風にして欲しい」などど、今からさりげなく注文をつけたりして、2人は暗黙のうちに将来を約束している様子です。

ふだんは ただの友達のように振る舞っていても、実はしっかりと将来への意識が出来上がっている様子には、精神的な大人っぽさを感じました。

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