年若き娘というのは、まだまだ自分の事で頭が一杯なところがあると思います。

でも、そんな彼女らが だんだん大人になっていく姿というのは魅力的で、貴重な場面に出くわした感があるものです。

今回は、子供と大人の間で揺れ動く娘たちの成長を描いた映画をまとめました。

【わかれ雲】生き甲斐に目覚めた女子大生

「わかれ雲」は、継母と折り合いが悪くて毎日が面白くない女子大生の物語です。

とある高原の小さな町で、グループ旅行に来ている女子大生の中に、病人が出てしまいます。

彼女は「悪いから私だけ置いていって」と言って旅館に逗留するのですが、優しい女中さんが精一杯尽くしてくれるのに、子供のようにワガママな態度を示します。
その反面、往診に来てくれた若い医者にはちょっと好意を持ったようです。
そして彼の周りをウロつくのですが、彼はちょっと迷惑な感じです。

彼は何か目的があるようで忙しく、自己中のお嬢様に付き合っている暇はなさそうです。
それでも強引に追い回していると、彼は山奥の僻地で地域医療に貢献しているだけで無いようです。
インフラの整わない寒村の人々の生活向上のために、運動しようとしている事が分かってきます。

彼女は、そんな彼の厳しそうだけど意義のある生活態度に打たれ、今までの生ぬるい生活から抜け出したくなります。
医者に「私も手伝いたい」と言っても突っぱねられるだけで、相手にしてもらえません。
それでも彼女は、自分が人に尽くしてもらいたいのではなく、誰かの役に立ちたいと願っている事に気付く事ができたようです。

その後、彼女の態度は大人びたものに変わり、寛容な心を持つようになるのです。

【妖精は花の匂いがする】実社会は一筋縄ではいかなかった

「妖精は花の匂いがする」は、戦時中はブルジョア的な暮らしをしていた娘が、戦後逆転して苦しい生活を強いられる運命を描いています。

それでも彼女は、むしろこの逆境をバネにして強い女性になりたいと、前向きに勉強やアルバイトに励んでいます。

とはいえ学問と仕事の両立は厳しく、彼女はだんだん収入の良いアルバイトが必要になるのでした。
そして彼女が見つけたのは、絵のモデルの仕事です。
時には裸にならなければならないと承知で決意をしますが、実際にモデルになって、その事実を友だちに知られた時、彼女はやっぱり恥ずかしくなってしまうのでした。

彼女は同時に、大学の若い教授と淡い恋に落ちていました。
だけど先生は自分とは価値観が合わない事を知り、どこか失望を味わったようです。

学歴にこだわる事をやめ、頭でっかちの理想主義になっている自分を立て直すためにも、大学をやめて仕事に就く事にするのでした。

【月は上りぬ】結婚は思ったよりシビアなものだった

「月は上りぬ」は、活発で明るい天真爛漫な娘が、大人への一歩を踏み出す物語です。

この娘の姉には好きな人がいて、相手の気持ちはわからない状態です。
ところが彼女は姉の引っ込み思案な性格が歯がゆく、強引な手段で相手の気持ちを探り、結果として縁結びを実現してしまいます。
うまく行ったから良かったようなものの、けっこう大胆な行動を取る勇気あるお嬢さんです。

ところが彼女も、自分の事となると からっきし駄目になってしまうようです。
彼女には心に決めた相手がいますが彼は欲がなく、アルバイトや就職の口を、困っている友達に譲ってしまいます。

さすがに就職の口を譲ってしまうお人好し加減に、彼女はとうとう怒って衝突になります。
「どうして、私たちの生活を考えてくれないの!?」と彼に詰め寄りますが、彼は彼女以上に厳しい態度を取ります。
「お前は自分さえ良ければ、それで良いのか?俺はそんな奴は大嫌いだ」とストレートに彼女を攻撃するのでした。

彼女は、本当に嫌われてしまったと思い、シュンとなります。
そして彼の方とて、自分から謝るほど大人ではありません。

こうして2人は、お互いに想いはあってもすれ違い、あっけなく別れるという危機に直面するのですが、二人の喧嘩の根底には、それぞれの結婚観へのズレがあるように見えます。

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